小柴胡湯と間質性肺炎

それまで重篤な副作用は知られていなかった漢方薬について、漢方投与後に間質性肺炎が発症し死亡したとされる症例が報告された。それまでの「漢方薬は副作用が無い」という安全神話が大きく見直されるきっかけとなった事件であった。

小柴胡湯は肝炎に対する適応があり、また、当時インターフェロン治療が広がりはじめた時期であった。小柴胡湯が肝炎に対して多くの症例で使用された。

その後、様々な漢方処方で間質性肺炎の報告が行われている。漢方薬を用いた場合に空咳や呼吸困難が認められる場合は処方される医師に早めに相談すべきである。また、定期的な呼吸音の聴診や血中酸素濃度測定、KL-6という血液検査も必要である。

漢方薬は医師や薬剤師などの有資格者がきちんと体調管理しながら処方されるべき薬剤である。