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日本東洋医学会とは 会長再任挨拶

令和3年6月27日に開催された第72回定時社員総会において理事が承認され、同日引き続いて開催された理事会において、私が会長に再任されました。二期目の会務を遂行させて頂きます。

私たちは2020年1月頃より始まったCOVID-19には大きな影響を受けました。本学会においても、学術総会、支部会、都道府県部会の全ての開催を中止、延期せざるを得ず、会員の学習、議論、親睦に大きな支障を生じております。

COVID-19に対して漢方治療が十分役立てられていない状況が続いていることに対しては、会員の方々は悔しい思いをなさっておられることと存じます。

そもそも漢方医学の教科書である『傷寒論』は急性熱性伝染病に対する治療マニュアルに類した書物であり、医療用漢方製剤の半分は同書を原典としています。しかし、実際にCOVID-19の第一線で漢方薬を活用できている施設と医師は少ないのが現状です。漢方薬全体の使用量はこの30年間増えていますが、急性期の伝統医学対応の学習浸透はそれに見合っていないのです。

中国では中医薬の活用によりCOVID-19を早期に鎮圧した旨が発表されました。しかし、前向きのエビデンスは不明でした。そこで本学会として、1)投薬実態調査、2)前向き臨床研究、3)予防研究、4)後遺症研究の4つの臨床研究を主導して推進しています。再三の申請にも関わらず、公的ファンドからの支援金を得ることはできませんでした。企業からの研究支援金では不足し、現在3)予防研究に対しては皆様より寄付を募っています。これまでに約630万円の御厚志を頂いておりますが、なお1,700万円が不足しており、国際シンポジウム等により補填する計画を立てているところです。

1年延期となった第71回学術総会は東北支部の大変なご尽力により実現し、成功しました。今後の学術総会だけでなく、支部会、都道府県部会にとっても、参考になる画期的な学術総会であり、こうしたウェブを用いたデジタル運営が標準になっていく可能性があります。

デジタル化は今後の学会運営上避けることはできません。会員の皆様には、学会ホームページへのメールアドレス登録を、再三お願い申し上げている次第です。

伝統補完医療を国民の医療に用いることは、世界の潮流となっています。WHOによれば、伝統補完医療をNational Policyとする国は、この20年間に25カ国から98カ国へ増えています。2019年5月に決定されたWHO/ICD-11伝統医学補足章新設は、伝統医学従事者にとって画期的な出来事です。この分類では、伝統医学の診療の実態が西洋医学的な視点により客観化されることが意図されており、これは我々にとってチャンスであり、これに応える研究活動をしていく必要があります。

ISO対応に伴う国内外との折衝には、日本東洋医学サミット会議を通じて活動しています。ISOは国際間交渉であり、本来は企業が前景に立つべきですが、輸入生薬の8割を占める中国が事務局をしている関係で、日本では漢方薬メーカーではなく、大学学術関係者による対応が常態化しています。

米国の医学教育では2023年までにすべきこととして、補完医療との接点を持つことが、「世界医学教育連盟(WFME)グローバルスタンダード2015年版」に明記されています。ここでいう「補完医療」とは、非正統的、伝統的、代替医療を含みます。すなわち、日本の医学部を卒業してから米国で医師として活動する必要条件として漢方医学の学習が求められることになります。

わが国の生薬国内生産は中国生薬が廉価であった時代にほぼ壊滅しましたが、農林水産省、日本漢方生薬製剤協会の努力にて回復への試みがなされつつあります。煎じ薬などの生薬を直接用いた治療のできる医師が増えることは、間接的ながら生薬国内生産を刺激する要因となりえます。より次元の高い漢方医学教育を実行していくことが望まれます。

これら研究、教育、国際対応、原料生産などの様々な問題を解決していくには、中央省庁内に伝統医学を推進する部署あるいはスタッフの設置が望まれます。その実現のための方策を検討する「政策提言委員会」(「提言書検討委員会」改め)を新設して議論を開始したところです。

誠心誠意、努めてまいります。会員の皆様にはよろしくご協力くださいますようお願い申し上げます。

一般社団法人 日本東洋医学会
会長 伊藤 隆

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