3月11日に東日本大震災が起き、甚大なる被害が東北地方を襲い、会員の中には亡くなられた方、震災のために診療所や家を失われた方に対し想像以上のご苦労があった事と存じます。改めて哀悼の意を表させて頂きます。学会でも復興のために何か出来る事をしなければならないと考えております。
開催が危ぶまれておりました札幌での第62回日本東洋医学会学術総会でしたが、実行委員会の皆様のご努力で、多数の会員が参加されました事をお喜び申し上げます。お陰様で、6月10日の代議員会では、平成23年度及び平成24年度の会長として選任頂きました。前途多難な時期ではありますが、会員の皆様のご指導ご鞭撻を頂き、恙無く運営して参りたいと存じますので、宜しくお願い申し上げます。
寺澤捷年前会長が、法人改革に関して大英断を下され、経費節減のための機構改革をなされました。これによって、これからの道筋がほぼ決まった訳ですが、これは法人改革の第一歩であります。
法人は従来公益のために貢献するように作られたものですが、幾多の不祥事が生じ、公益法人の見直しがなされ、従来の法人は過渡的に特例法人となり、一般法人(非営利型及び営利型)と公益法人とのどちらかに移行する事になります。基本は税制の問題で、課税の有無で判断すると分かりやすいと思います。当学会は、諸事情を鑑みて非営利型の一般法人を選択致しました。どちらにしても、財政のバランスを取って行かなければならず、各都道府県部会に対しても益々の経費削減と活性化という、相反するお願いをしなければなりません。法人改革という大震災に対し、私たちは知恵を出し合い、復興と繁栄を勝ち取るよう努力して参ります。
国際的な問題も、急速に変化を遂げております。石野尚吾元会長の提案で、WHO等の国際的な要請に対応すべく日本国内の伝統医学関連学会が連合してJLOM(日本東洋医学サミット会議)を立ち上げ、多くの国際問題に対応してきたことは特筆すべき事だと思います。
特に、中国が提起してきている多くの課題の中心は、中医学を国際規格にすべくあらゆる手段を取って来ています。これは、各国の伝統医学に対して多大な影響を及ぼす問題ばかりであり、この対策が、喫緊の要務であります。生薬原料確保の問題は年々厳しさを増してきており、中医学の用語や治療法、国際中医師免許、生薬の製造方法等、知財権まで適応範囲を拡大してきているISO(国際標準化機構)問題があり、これは予断を許せない状況にあります。各国の医療制度にまで踏み込んだ問題で蔑にできない問題です。このため、厚労省、通産省、文科省等による横断的な協力体制を構築する必要があり、JLOMやわが学会だけで対応出来る問題ではなくなっております。日本の医療界も含めて、一丸となってこの危機的状況を打開して参らなければなりません。
今年度から、会長、副会長、常務理事、企画運営委員会担当理事、渉外委員会担当理事による総務会を立ち上げ、毎月懸案事項を処理する体制をとる事と致しました。情報の共有が正しい方向性を確保するためには必要であります。会員各位におかれましても、身近な情報を総務会にご連絡頂き、間違いない運営にご協力とご支援を頂きたいとお願い申し上げて、私のご挨拶と致します。
会長 石川 友章
