日本東洋医学会EBM委員会診療ガイドライン タスクフォース (Task Force for Clinical Practice Guidelines: CPG-TF) では、わが国の診療ガイドライン (CPG) の中から漢方製剤に関係する記載を調査し、「漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン」(KCPG) として日本東洋医学会のwebsiteに公開している。前頁の「version の履歴」にあるように、2017年10月31日に2016年3月31日時点の調査結果をKCPG 2016として報告した。その後、新規発行、改訂されたCPG中の、漢方製剤に関する記載のみを、2018年11月にKCPG Appendix 2017、2019年3月にKCPG Appendix 2018としてホームページ上に公開した。本年は、「漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン 2019」 (KCPG 2019) として、3年ぶりにKCPGを全面改訂することとなった。
本 versionでは、2019年3月31日までに「東邦大学・医中誌 診療ガイドライン情報データベース」に掲載された3000件から、外国のCPGとその翻訳版、医療倫理に関するガイドライン、動物実験や治験など研究に関するガイドライン、その他、臨床診療を目的としないガイドライン、すでに改訂版が作成されているCPGの旧バージョン、CPGのダイジェスト版、患者向けCPGを除いた1411件を今回の対象とし、その中の漢方製剤に関係する記載を調査した。
そこで、本 versionからは、2016年3月31日までに「東邦大学・医中誌 診療ガイドライン情報データベース」に掲載された2361件から、外国のCPGとその翻訳版、医療倫理に関するガイドライン、動物実験や治験など研究に関するガイドライン、その他、臨床診療を目的としないガイドライン、すでに改訂版が作成されているCPGの旧バージョン、CPGのダイジェスト版、患者向けCPGを除いた1158件を今回の対象とし、その中の漢方製剤に関係する記載を調査した。
その結果、漢方製剤の記載のある135 CPGを収載した。内訳は下記の通りである。
タイプA: 引用論文が存在し、エビデンスと推奨のグレーディングがあり、その記載を含むもの - 40 件
タイプB: 引用論文が存在するが、エビデンスグレードと推奨のグレーディングのないもの - 51 件
タイプC: 引用論文も存在せず、エビデンスグレードと推奨のグレーディングのないもの - 44 件
なお、現在までに、KCPGに掲載されたCPG数は、次ページの Tableに示すとおりである。