ページの先頭です


ページ内移動用のリンクです


ここからサイト内共通メニューです

サイト内共通メニューはここまでです

  1. ホーム
  2. 医療関係者の方へ
  3. 学術関連情報
  4. 漢方EBM
  5. 漢方治療エビデンスレポート
  6. 5.選択・除外論文の概要 (included references and excluded references)

ここから本文です

5. 選択・除外論文の概要 (included references and excluded references)

(1) 選択された論文・選択された study・除外された論文の関係

選択された899件の論文について SAを作成した。899件の論文の中には、1 study 2 papersが66件、1 study 3 papersが15件、1 study 4 papersが3件、1 study 5 papersが2件あり、また、2 study 1 paperが4件あったため、作成したSA(選択された study)数は553件 (540件のRCT、13件のメタアナリシス) となった。なお、選択基準から外れた除外論文は237件であった (Table 3)。

国際医学雑誌編集者委員会(International Committee of Medical Journal Editors: ICMJE)が発表している投稿のためのUniform Requirements for Manuscripts Submitted to Biomedical Journals: URM)は1979年に最初の版が公表され、2013からICMJE Recommendationsと名称が変更となりその後、ほぼ毎年改訂されている。

http://www.icmje.org/recommendations/archives/

世界の5,000誌以上の雑誌がフォロー(follow)している。

http://www.icmje.org/journals-following-the-icmje-recommendations/

その1984年の改訂からduplicate publicationに関する言及があり,すでに発表された研究内容について投稿する場合は編集委員会の承認を得ることが必要であると定められている.ICMJE Recommendationsにおける二次掲載 (secondary publication)として許容されるものは、関係する両誌の編集者が了解しているもの、2番目の発表論文は異なる読者に向けて書かれているもの、1番目の論文のデータや解釈を忠実に反映させた2番目の発表論文、Secondary Publicationであることを明記した2番目の発表論文、である。

Table 3に示したように、二次文献であることが明確ではない漢方製剤の臨床試験の duplicate publicationが相当数含まれていた。既発表内容を編集委員会の了解を得ずに投稿することは倫理的な問題だけでなく、著作権の問題もある。国内外において出版倫理への関心が高まっており,漢方の論文においても、duplicate publicationについて配慮する必要がある。本件は研究として以下で発表された。

Kitagawa M, Tsutani K. Duplicate publication cases in the field of Kampo (Japanese herbal medicine) in Japan. Zhong Xi Yi Jie He Xue Bao (Journal of Chinese Integrative Medicine; 中西医結合学報) 2011; 9(10): 1055-60.

また、本件を含めてduplicate publication 全体として以下で発表された。

津谷喜一郎. パブリッシュ・オア・ペリッシュ: 多重出版(duplicate publication)について, 第2回日本医学雑誌編集者会議(JAMJE)第2回シンポジウム, 2009.7.17, 東京.

(2) 構造化抄録が作成されたstudy

構造化抄録を作成した studyは Table 4の通りであった。

構造化抄録を作成した studyについては、構造化抄録および構造化抄録作成論文リスト (structured abstract and included references list) に、1) SA No.、2) 疾患のICD10 (2003年改訂版) コード、3) research question、4) 漢方処方名、5) 論文の書誌事項、6) 研究デザイン、7) 検索ソースを記載した。

なお、本来の research questionは、患者 (patient)、介入 (intervention)、対照 (control)、評価項目 (outcome) の4要素 (PICO) で書くべきものであるが、ここでは簡略化した形で示した。

(3) 除外論文リスト (excluded references list) の作成

以下のものは、構造化抄録を作成せず、除外論文リストに書誌事項と除外理由を記載した。

  1. 1) 臨床論文ではあるが、RCT、メタアナリシスではない
  2. 2) 日本で漢方エキス製剤として製造販売承認を受けていないもの (漢方の湯剤、中国の製剤など) を使用している
  3. 3) 1985年以前の漢方製剤 (現在のものとは品質が異なる)を使用している
  4. 4) 既存のRCT論文の引用
  5. 5) 記載内容が不明確で構造化抄録が作成できない
  6. 6) その他

更に、過去に記事形体の報告を用いてSAを 作成したものの、最終的な論文が収集された場合は、過去の SA とその論文を削除し、除外理由「6) その他」で、その旨の記載を加えて除外リストに移行することとした。EKAT作成当初は、網羅性を重視し文献の選択を広めに行い、学会取材記事のようなものでも取り上げてきたが、最終的な論文との間に症例数や結果が異なっていたり、記事中の RCT と論文とのリンクが行えないなどの例が存在することが明らかとなった。そのため、EKAT 2013 Appendix 2014 updateからは、著者が記者であるとわかる記事形体の報告は取り上げないこととし、過去に作成されたSAについても、最終的な論文が収集された時点で見直しを行うこととした。その結果、EKAT 2013 Appendix 2014 updateで1件、EKAT 2013 Appendix 2015 updateで2件の論文が除外リストに移行している。

以上により、最終的には、除外論文リストには237論文を掲載することとなった。

本文はここまでです

このページの先頭へ


ここからカテゴリ共通メニューです

カテゴリ共通メニューはここまでです




ページの終わりです

ページの先頭へ戻る