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漢方ストーリー 第10章 いざ、編集長との最終決戦

さて、今日は待ちに待った編集会議が開かれます。私なりにいろいろとまとめた企画書をいよいよ編集長に見せることにしました。

「編集長、やっと企画書が出来ました。一度目を通していただけますか?」
少しドキドキしながら、編集長に企画書を渡しました。
「どれどれ・・・」と私の企画書に目を通す編集長はいつもの穏やかな感じはなく少しこわばった感じがしました。
「だいぶ時代が違ってきたんだね。そろそろ取り上げようかと思っていたのだけど・・・どうしても気が進まない事情があるのだよ、私には」

イラスト・編集長に企画書を提出

編集長は引き出しから古いスクラップブックを取り出し
「若い頃に書いた私の記事なんだけど・・・実は」
その時、私は自分が勘違いしていたことを知りました。そうなんです、編集長は決して食わず嫌いではなかったのです。その記事は今から20年ほど前に、漢方が再認識され始めた時期のものでした。当時、新聞記者であった編集長がまとめた記事は、今まさに私が取り上げようとしている漢方そのものでした。すでに20年前に漢方が注目されていたとは大変な驚きでした。でも、どうして編集長は漢方にあんまりいい顔しなくなったのか、私が少し怪訝な顔をしているのに気づいて・・。
「次のページを見てみればわかるよ。」
と、そこには当時、肝炎治療薬として大量に用いられていた小柴胡湯と間質性肺炎に関する記事が貼られていました。
「その当時は漢方には副作用がないというイメージがあった。今でもそう思っている人がいると思うよ。その間違った認識のため、多くの国民が漢方薬に対して無防備に用いるようになった。医師や製薬会社にも責任があると思うが、その点ではマスコミもそのブームに乗っかっちゃったという罪を犯している。その結果として重篤な副作用が悲劇につながったのだよ。これは漢方薬そのものが悪いのではなく、その時代には漢方薬の必要性が増す事件が沢山起こった。時代が漢方を必要としていた。無批判にそれ受け入れさせた医師・製薬会社・そして我々マスコミの重大な責任だと思う。私もその中の1人かも知れない。だから、漢方に関する記事には人一倍慎重なのかも知れないね。」
「確かに、漢方薬の使用量が急速に伸びた背景には、西洋薬による薬害に関する問題が少なくないことがあり、漢方なら安全だろうという甘い期待があったのも事実。しかし、小柴胡湯投与後の間質性肺炎による死亡例を経験して、漢方薬の適正使用の重大性が再認識されました。それを保証するために10年前には全体の4分に1に留まった医学部での学生教育が現在すべて義務化され、学会では様々な臨床データーが蓄積され、その疑問に答えるエビデンスが積み上げられています。そろそろ取り上げていただいても良い時期がきたのではないかと・・・」
「そうだね、漢方の学会だけでなく西洋医学の学会でも発表できるようなデーターが出始めているようだし、この企画をすすめてもらおうか。だけど最近、話題として

メタボリックシンドロームに防風通聖散,消化管手術の術後の入院期間短縮に大建中湯、認知症の周辺症状に抑肝散(加陳皮半夏)が有効というデーターか出始めたため、多くの臨床医が処方するようになり、小柴胡湯の悪夢がよみがえるのではないかと心配しているけどね。

 どうも、生薬の供給についても様々な国際問題となりつつあるようだ。漢方は我々の伝統文化であるから、今後世界の中でどう評価されていくのか大変重要な問題だよな。漢方医学は昔の中国から伝わり、日本的に発達したもの。現在の中国で行われている生薬治療である中医学とはいろんな違いがあるようだしね。まるで、日本語と中国語の違いと同じだろうね。その点もきちんと伝えるべきものは伝えないといけないなぁ」
「分かりました。きっと編集長に納得していただけるような企画として仕上げていきます。楽しみにしていて下さい」
さあ、早速○○先生に取材の申し込みをすることとしました。

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